入れ歯

『すれ違い咬合』とは?放置すると非常に恐ろしい結果が待っているのです…

皆さんは、『すれ違い咬合』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?一般の人からすれば、ほとんど耳にしたことが無い言葉でしょうが、口内の問題の中でも非常に深刻なものに分類されるものです。

日本国内では、歯医者さんに足を運ぶ場合、既に虫歯などの問題を患っていて「歯が痛くなったから…」「口臭が酷くなってきたから…」「歯ぐきがムズムズするから…」など、ある程度、症状が進行しなければ歯医者にもいかない…なんて人も多いぐらいです。実は諸外国では『予防歯科』という考え方の方が一般的になっており、歯科医院などで定期検診を受け、虫歯や歯周病に「なる前に」きちんと予防していくという習慣になっているのです。

しかし日本では、歯科医院のことをとにかく嫌っており、いつの間にか歯が抜け落ちてしまっているという方もいるほどです。こういった口内の問題を放置してしまった場合に起こるのが『すれ違い咬合』で、すれ違い咬合は、口内の問題だけにとどまらず、顔や顎の形を変形させてしまう可能性があるなど、非常に深刻な問題にまで発展するリスクもあるのです。

そこで今回は、一般の人にはあまり知名度のない『すれ違い咬合』について、どのような症状なのか?や放置してしまった場合のリスクなどをご紹介します。

 

すれ違い咬合の症状やその原因

『すれ違い咬合』とは、上顎と下顎に何本かの歯は残っている状態ですが、自分の歯で物を咬むところが無くなってしまい、バランスが悪くなった状態のことをいいます。これだけを聞くと、「特に問題なさそうでは?」と考えてしまうかもしれませんが、『すれ違い咬合』になってしまうと以下のような深刻な問題に発展する可能性があるのです。

  • 治療をしても症状がどんどん悪くなってしまう…
  • 顔が歪んだように見え、変形してしまう…
  • 背骨が歪んでしまい、姿勢が悪くなる…

すれ違い咬合は、上記のように口内だけの問題にとどまらず、顔や顎の変形…姿勢の歪み…など、さまざまな深刻な問題に発展しかねないのが特徴です。

分かりやすく『すれ違い咬合』の例をあげてみると、上顎は左側の歯が残っていて、下顎は右側の歯のみが存在しているという状態です。このような状態になってしまえば、上下の歯で咬むところが無くなってしまい、『すれ違い咬合』と言われるのです。すれ違い咬合は、歯を失う欠損歯列の中でも重症であると言われており、本来は、すれ違い咬合になる前に治療の開始が必要とされているのです。

すれ違い咬合の原因

それでは、すれ違い咬合になってしまう原因についても簡単にご紹介しておきましょう。すれ違い咬合は、前述したとおり、「歯を失ってしまった…」ことに起因します。状態としては、

  • 上顎の右側は歯がなく、下顎は右側のみ歯が残っている。
  • 上顎の左側は歯がなく、下顎は左側のみ歯が残っている。

といった感じで、もちろん左右対象の場合も同様です。わかりやすく言うと、自分の歯で物を咬むところがない状態です。

また、片側の歯だけが残っている状態で入れ歯をした場合、入れ歯と自然の歯が咬みあうことになりますので、この場合、自然の歯の方が力が強くなります。そして、自然の歯が咬みあっている部分に集中的に咬合力がかかってしまい、ダメージが蓄積していくのです。このような場合、すぐに入れ歯が合わなくなったり、歯が咬みあっている部分が削れてしまい不安定になったりすることがあります。さらに、顎堤吸収などによって顔が歪んでしまったり、姿勢のバランスまで崩してしまう危険性があるのです。

すれ違い咬合の治療について

『すれ違い咬合』がどのような症状で、どのようなリスクがあるのかについては、わかっていただけたと思います。上述のように、すれ違い咬合を放置してしまうと、自然の歯と咬みあっている部分の歯肉や下の骨がどんどん吸収され、顎が薄くなってしまうことにより、顔つきが変わってしまう…などといったリスクがあります。当然、残っている歯に関しても、咬みあう歯が無いため、支えを失ってしまい、抜け落ちてしまうリスクが非常に高くなってしまいます。
それでは、すれ違い咬合はどのような治療が必要になるのでしょうか?以下で見ていきましょう。

すれ違い咬合の治療方法について

欠損歯列の評価とリスク予測』という論文によると、『欠損歯列は長い時間軸でみると継続的に無歯顎方向に進行する』とされています。これは、欠損歯列を放置してしまうと、時間の経過とともに全ての歯を失ってしまう経過をたどってしまう…ということです。
したがって、最悪の結果を招かないようにするためには、現在存在する問題の解決と、これ以上重症化させたいための対策を考える必要があるということです。このために必要になるのは、まず「義歯やインプラントによって、これ以上咬み合わせを悪化させない」ようにすることで、これが将来的に全ての歯を失ってしまうことを阻止するための対策となります。
インプラントについては、単体で歯を支えることができるため、すれ違い咬合に非常に有効な治療方法と言われています。ただし、義歯と比較すると「手術に失敗するリスク…」「コスト的な問題…」がネックとなる場合も少なくありません。何らかの理由で、インプラントを選択できない場合、『コーヌスクローネ』と言う特殊な入れ歯での治療が非常に有効です。

『コーヌスクローネ』のメリットについて

『コーヌスクローネ』は、ドイツ式の入れ歯で、外れにくくて噛みやすいという特徴を持っています。治療法を簡単に説明すると、まだ残っている歯に、金属の冠を被せて土台とし、その上に入れ歯を装着するという手法です。コーヌスクローネは、インプラント治療のように、外科手術を必要としないので、手術によるリスクや体の負担もなく安心して治療を行うことができます。また、金属のバネを使用しませんので、装着する方も違和感なく使用でき、外観上も入れ歯ということがあまり目立たないのもメリットと言われています。
日本国内では、コーヌスクローネを取り扱っている歯科医院がまだ少ないのですが、ドイツでは非常に一般的な治療法であり、50年以上の歴史がありますので信頼性も高いと言えるでしょう。
コーヌスクローネ以下のようなメリットがある治療法です。

  • ものをよく噛めるようになる
  • 入れ歯ですがお手入れの手間が少ない
  • 目立ちにくい、審美性が高いと言われる
  • 外科手術を行わないので、口や体への負担が少ない
  • インプラントよりもコストがかからない

コーヌスクローネの治療法についてコチラ

まとめ

今回は、一般の方にはあまり知名度はないのですが、非常に深刻な問題と言える『すれ違い咬合』についてご紹介しました。本稿でご紹介したように、すれ違い咬合は、「歯を失ってしまった…」ことが起因となるものですので、「私は無関係…」と言える人など存在しないといって良い口内問題です。
本来、定期的に歯医者さんにかかり、問題の早期発見、治療を進めるといった対策ですれ違い咬合になってしまうようなことはないと言えるのですが、冒頭でご紹介したように日本では「問題が発生してから歯医者にかかる」というのが一般的で、気付いたときにはすれ違い咬合になっていた…なんて可能性も少なくないのです。

すれ違い咬合はインプラント治療が有効な手法と紹介しましたが、「手術に失敗するリスク…」「コスト的な問題…」がネックとなる場合も少なくありません。何らかの理由で、インプラントを選択できない場合、『コーヌスクローネ』と言う特殊な入れ歯での治療が非常に有効です。

『予防歯科』という考え方がまだ普及していない日本ですが、口内に少しでも違和感を感じた場合には、できるだけ早く歯科医院に相談する習慣はつけて置いた方が良いでしょう。

おなだ歯科・矯正歯科
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