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『国民皆歯科検診』でお口の健康に興味を持つ

政府が定めた『国民皆歯科検診制度』

今年5月31日、日本政府は経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)案で、『国民皆歯科健診制度』の検討を明記しました。

これは簡単に言えば、国民に毎年の歯科健診を義務づける制度です。

今回は、この国民皆歯科健診制度の解説を通して、お口の中の健康の重要さについてお話ししていきます。

どんな制度なの?

現在、歯科検診は1歳半、3歳児、大学を除く学校に通う子どもたちなどに実施が義務づけられています。
しかし40歳から70歳までの成人の方に関しては、義務ではありません。
この制度はこうした検診の義務づけ年齢を拡大し、よりたくさんの人に歯科検診を行ってもらおうというものです。

実はまだ具体的にはどのような形での検診制度となるかはまだ決まってはいません。
これから決定していくようです。

歯科検診の受診率

では、現在、成人で定期的に歯科検診をされている人はどのくらいの割合でいるのでしょうか?

提供:ライオン

こちらの表は、厚生労働省が実施した、成人でどのくらいの割合の人が歯科検診を受けているかの調査結果を示したグラフです。

少し古いデータではありますが、それぞれ全体の半分くらいの方が定期的に歯科検診を受けていることがわかります。

また、働き盛りの20代、30代、モノをたくさん食べて歯をたくさん使う世代の受診率が全体的に低くなっているのも見てとれます。

他の統計を見ると、40代、50代の方が受けられる歯周病の検診は20人に1人しか受けていないというデータがあるそうです。

このことは口腔内ケアの不足につながります。

それは後に歯周病など口腔内の疾患を引き起こし、最終的に生活習慣病などの病気の元を作るといった悪循環に繋がりかねません。

歯を清潔に保ち続けるためには、歯が元気なうちのケアは必要不可欠となってきます。

この歯科検診の義務化が、働き盛りで忙しくお口の中のケアが疎かになっている方の手助けとなることでしょう。

 

定期的に歯科検診を行うとどうなるか・・・

では、定期的に歯科検診を行っていくとどのようないいことがあるのでしょうか?

一つずつ見ていこうと思います。

■虫歯の予防・歯の病気予防につながる

まず歯科検診は、なんといっても虫歯の予防につながります。

歯科で検診することで、虫歯の菌を早期発見することができる上、ならないように予防することができます。

食事をした後、歯をみがいている方でも、みがき残しがあったりします。

そのみがき残しをそのままにしていると、虫歯が発生します。

これは厚生労働省の調査をもとに作られた、年代別でどの歯に虫歯が多いかをまとめたものです。

やはり奥歯に当たる第一大臼歯や第二大臼歯に虫歯ができる人が多くいるようです。

歯みがきはしていても防げない、そういった虫歯のもとにアプローチできるのが歯科医師の目です。

定期的な検診で、虫歯になりにくい口内環境を歯科医師とともに作っていくことが可能となるのです。

■疾患の早期発見・治療により医療費が減る

虫歯になってしまってから歯医者に行くと、それなりに治療費がかかります。

ただ、虫歯の進行の度合いによって治療費は大きく変わります。


①初期の虫歯の場合 約1,500円~3,000円(3割負担の場合)

初期段階のむし歯は歯の一番表面にある白いエナメル質が溶かされた状態です。

痛みはまだありませんが確実に歯の一部分は溶かされています。

そういった部分を削って、レジンとよばれる白い詰め物をします。

治療は短期間で終わります。

②中度の虫歯の場合 約2,000円~10,000円(3割負担の場合)

表のエナメル質の下には象牙という層があり、下には神経があるので

神経近くまでむし歯が達していると沁みてきます。

むし歯をけずってから保険の銀の詰め物または

自費診療の白い詰め物をする必要があります。

1歯に2回の来院が必要です。

③神経を抜く重度治療の場合 約7,000円~20,000円(3割負担の場合)

象牙質より更に奥の神経に達してしまった場合、

神経を取り除いてから、土台とかぶせものをする必要があります。

むし歯が神経に達してしまうと激しく歯が痛むようになります。

保険診療でも1歯の治療費に1万円ほどかかってきます。

また神経を取り除いて歯の根の中をきれいに清掃するために

何回か通っていただく必要があります。

④それ以上の悪化 

歯が崩れてしまうほどの末期の虫歯になっているケースでは、

痛みを感じる神経自体が虫歯により壊死しているため痛みを感じません。

しかし、この段階を放置するとやがて根に膿みがたまり、激痛を生じ易くなります。

麻酔も効きにくくなり、歯を残すことは困難なので抜歯をすることが多いです。

抜いた後の治療費や、抜けた場所の歯をインプラントや入れ歯にするなど、

処置に対する金額はさらに大きくなります。

このように、虫歯の放置によって増える医療費を、

たった一回の歯科検診での早期発見、歯科医師による治療でおさえることができます。

これは虫歯だけでなく、歯周病やその他口の中の様々な疾患にも同じことが言えます。

セルフケアとプロフェッショナルケア


歯科検診は「プロフェッショナルケア」という言葉であつかわれることがあります。

毎日食べた後などに自分で定期的に行う歯みがきなどを「セルフケア」、

治療や健診などを歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」といいますが

このケアの両輪が、歯と口の健康を維持・向上させるエッセンスとなります。

プロフェッショナルケアにはいくつか種類があります。

歯科検診

今回の政府の施作にもあった、定期検診にあたるものです。

乳幼児期や学齢期、成人期、高齢期などさまざまな世代を対象に、市町村などが「歯科健診」を実施しています。

これにより、疾患の早期発見・治療につなげることができます。

予防歯科

むし歯や歯周病の予防のために歯科クリニックを利用する方が最近増えてきています。
この予防歯科を重視している歯科医院も多くなってきています。

当院でもこの予防歯科に力を入れています。

髪が長くなったら美容院に行くのと同じように、お口の中の状態を確認しにきていただきたいです。

自分の歯は自分で守る

tooth with health concept on the blue background

日本には「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という取り組みがあります。

高齢でも自分の歯がしっかり存在する状況を増やそうという取り組みです。

しかし、その歯を健康的に保ち続けられる状況は少ないのが現状です。

お口の中の健康を二の次にした為に、様々な疾患にかかってしまうことも大いにあり得ます。

そうした状況だからこそ口腔機能の維持・向上が重要であり、

皆さんご自身やご家族をはじめ、様々な方がお口の健康に興味を持つことが大事なのです。

自分のお口から、自分の歯でよく噛んで、美味しい食事をとり続けることは、
歯科医師による定期的なメンテナンスと、みなさんご自身の意識によって完成するのです。

 

まとめ

いかがでしたか。

今回は国が定めた歯科検診についての制度とそれに伴うお口の健康についてまとめてみました。

口腔機能を維持・向上させ、いつまでも健康な歯を保ち続けるために、

ぜひ当院を利用していただければ幸いです。

おなだ歯科では定期検診のご予約、お口のケアについてのご相談を常に承っております。

毎日のお手入れと歯科検診によるチェック・ケアで、いつまでも健康的なお口を実現しましょう!

おなだ歯科・矯正歯科
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鶴田 真也

美容院に行く感覚で気軽にクリーニングへお越しください。 歯を失う原因の第一位は「歯周病」です。 歯周病は痛みや自覚症状のないまま、どんどん進行していくために「サイレントティズィース」(沈黙の病気)と呼ばれています。 毎日の歯みがき(特に就寝前)や、3〜6ヶ月ごとの定期検診とクリーニング。そしてストレスをためないことが何よりも重要な歯周病予防です。 むし歯になる前に。痛くなる前に。 美容院へいく感覚で、ぜひ気軽にクリーニングへおこしください。

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